目次
前回の記事で、シャフトの硬さがメーカーやモデルで統一基準が無く、振動数(cpm)で見るべきであるとお伝えしました。

そして、その末尾に私が感じる疑問について記しました。
「speederEvolution Ⅲ 661:269cpm/Sシャフト」より、「TOUR AD BB 6:262 cpm/Sシャフト」の方が硬く、しっかりしたイメージがある。
シャフトの硬さ表記と体感の誤差
前回の記事で、シャフトの硬さがメーカーやモデルで統一基準が無く、振動数(cpm)で見るべきであるとお伝えしましたが、その上で振動数は(cpm)を元に振り比べると、、、ある疑問を体感します。
先に記した
「speederEvolution Ⅲ 661:269cpm/Sシャフト」より、「TOUR AD BB 6:262 cpm/Sシャフト」の方が硬く、しっかりしたイメージがある。
といった感覚です。貴方もきっと感じると思います。
シャフト性能で硬さ以外の要素「トルク」
シャフトのカタログに記されている「トルク」ってご存知ですか?
シャフトのトルクは、シャフトの”ねじれ”度合いを示す数値です。この数字が大きいほど、よくねじれるシャフトという意味になります。
そうです。シャフトは“ねじり”が生じるように作られているのです。
アドレスからトップにかけては、時計回りに
トップからインパクトに向けては、半時計周りに
この“ねじれ”によって、いわゆる“つかまる球”が打てるのです。このねじれが大きい(簡単にねじれが発生する)ほど、トルク数値が大きくなり、ねじれが少ないクラブ(ねじれが簡単には発生しない)ほど、トルク数値が小さくなります。
具体的な恩恵としては「トルク=ねじれ」を発生させる事で、球を捕まえることが出来るってわけです。
とはいえ、このねじりが簡単に発生すると「捕まりすぎたり」逆にトルクをかける事が苦手な場合には、トップからインパクトに掛けてフェイスが開きっぱなしでボールにコンタクトする事になります。
トルクの機能と重要性。おわかり頂けましたか?
ここで改めて、「speederEvolution Ⅲ 661:269cpm/Sシャフト」と、「TOUR AD BB 6:262 cpm/Sシャフト」他の数値を見てみましょう。
商品名 | 順位 | 振動数(cpm) | トルク |
speederEvolution Ⅲ 661 S | 1 | 269 | 3.8 |
speederEvolution Ⅵ 661 S | 2 | 267 | 3.9 |
speederEvolution Ⅴ 661 S | 3 | 264 | 3.7 |
TOUR AD VR 6 S | 4 | 262 | 3.2 |
TOUR AD BB 6 S | 5 | 262 | 3.2 |
TENSEI CK ORANGE 60 S | 6 | 261 | 3.5 |
振動数だけみると、「speederEvolution Ⅲ 661 S」が最も硬いシャフトです。
ここで重要なのが、トルクです。
比較の為に、TENSEI含む他のシャフトの数値も記しますが、“しなり”を生む「硬さ(振動数)」と“ねじれ”を生むトルクが完全に一致しないことが判ります。
振動数が小さい「TOUR AD BB 6 S」のほうが、振動数の大きい「speederEvolution Ⅲ 661 S」よりトルクが強い事が判ります。(トルク数値は小さいほど強い)
これからわかることは「シャフトの硬さと、トルクは完全に比例せず、シャフトのキャラクターが出る」と言うことです。
「しなり(硬さ)」と「ねじれ(トルク)」が及ぼすスイング時の体感(推察)
ここからは、完全に私の推察です。(間違っていても怒らないでください。責任追求も炎上もご勘弁を・・・)
私の感覚では、トルクも振りごごちに影響を与えると思うのです。トップからインパクトに向けて、シャフトのしなりを感じながら、同時にシャフトのねじれを無意識に身体が感じていると思うのです。
「speederEvolution Ⅲ 661:269cpm/Sシャフト」より、「TOUR AD BB 6:262 cpm/Sシャフト」の方が硬く、しっかりしたイメージがある。
っという印象を得るのはその為だと思うのです。
そこで、プチ理系のアラフィフおじさんは考えました。無い頭を使って考えました。
“しなり”を生む「硬さ(振動数)」と“ねじれ”を生むトルクの関係性を数値化すればわかりやすいのでは?
そこでバカはバカなりに考えて単純に、「 振動数/(トルク) 」で計算してみました。
商品名 | 順位 | 振動数/(トルク) | 振動数 (cpm) |
トルク |
TOUR AD VR 6 S | 1 | 81.875 | 262 | 3.2 |
TOUR AD BB 6 S | 2 | 81.875 | 262 | 3.2 |
TENSEI CK ORANGE 60 S | 3 | 74.571 | 261 | 3.5 |
speederEvolution Ⅴ 661 S | 4 | 71.351 | 264 | 3.7 |
speederEvolution Ⅲ 661 S | 5 | 70.789 | 269 | 3.8 |
speederEvolution Ⅵ 661 S | 6 | 68.462 | 267 | 3.9 |
如何でしょう?
TOUR AD BB 6 S = 81.875 、 speederEvolution Ⅲ 661S = 70.789
数字が大きいほど、クラブを振った際に硬さとねじれを感じる“係数”と仮定すると、振りごごち体感と近づいて行ってる気がしますが・・・如何ですか?
人気シャフトの硬さとトルク一覧
以下には、YouTubeで「ズバババ!GOLF」のクラブフィッターたけちゃんが投稿している動画から数値を拾い出して見ました。
大変おもしろい動画なので是非チャンネル登録してみてください
商品名 | Flex | 振動数 (cpm) |
振動数 順位 |
トルク | α= 振動数/(トルク) |
α順位 |
speederEvolution Ⅲ 661 | S | 269 | 1 | 3.8 | 70.789 | 10 |
speederEvolution Ⅵ 661 | S | 267 | 2 | 3.9 | 68.462 | 12 |
speederEvolution Ⅴ 661 | S | 264 | 3 | 3.7 | 71.351 | 8 |
TOUR AD TP 6 | S | 263 | 4 | 3.2 | 82.188 | 1 |
speederEvolution Ⅳ 661 | S | 263 | 5 | 3.7 | 71.081 | 9 |
TOUR AD VR 6 | S | 262 | 6 | 3.2 | 81.875 | 2 |
TOUR AD BB 6 | S | 262 | 7 | 3.2 | 81.875 | 3 |
TENSEI CK ORANGE 60 | S | 261 | 8 | 3.5 | 74.571 | 6 |
Diamana BF 60(青マナ) | S | 261 | 9 | 3.9 | 66.923 | 15 |
TENSEI CK ORANGE 50 | S | 261 | 10 | 4.9 | 53.265 | 18 |
Diamana ZF 60 | S | 260 | 11 | 3.8 | 68.421 | 13 |
Diamana RF 60 (赤マナ) | S | 259 | 12 | 3.5 | 74.000 | 7 |
TOUR AD MT 6 | S | 258 | 13 | 3.3 | 78.182 | 4 |
TOUR AD MJ 6 | S | 258 | 14 | 3.4 | 75.882 | 5 |
ATTAS 11(ジャック) 6S | S | 258 | 15 | 3.8 | 67.895 | 14 |
speederEvolution Ⅳ 569 | S | 257 | 16 | 3.7 | 69.459 | 11 |
speederEvolution Ⅴ 569 | S | 253 | 17 | 4.5 | 56.222 | 16 |
speederEvolution Ⅵ 569 | S | 253 | 18 | 4.9 | 51.633 | 19 |
TENSEI CK ORANGE 50 | R | 252 | 19 | 5.0 | 50.400 | 20 |
ATTAS 11(ジャック) 5S | S | 247 | 20 | 4.6 | 53.696 | 17 |
speederEvolution Ⅵ 474 | R | 233 | 21 | 5.2 | 44.808 | 21 |
speederEvolution Ⅵ 351 | SR | 233 | 22 | 7.9 | 29.494 | 23 |
ATTAS 11(ジャック) 4 | S | 226 | 23 | 6.0 | 37.667 | 22 |
如何ですか?振動数(cpm)だけでも、非常に参考になります。
シャフトが走ると言われるspeederEvolutionが以外と硬いシャフトであると思いませんか?
逆に「振動数/トルク」の順位を見ると、振動数(cpm)と差があるのが判りますね。
「振動数/トルク」の順位ではTOUR AD VR 6 、TOUR AD BB 6 、TOUR AD TP 6が強いシャフト(振動数とトルクを考えたときに)であることが判ります。
まとめ
最後までお読み頂いた事に先ずはお礼申し上げます。
シャフトの硬さを見る時、トルクも意識して選ぶことを提案しました。
(α=振動数/トルクが正しいとは言っていませんが)
参考になりましたでしょうか?
本来はこの情報だけで、完結なのですが・・・(前回も書きましたね、このセリフ)
そうなんです、シャフトを語る上で重要な「調子:キックポイント」をまだ記していませんね。
次回の記事では、「調子:キックポイント」について記したいと思います。
併せてお読み頂けますと幸いです。
コメント
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